デンマーク刺繍
🌸 手仕事あれこれ
一日の内で、ちょっと空き時間が出来た時に好きな刺繍などの 手仕事をしたりして、楽しんでいます。
でも、2~3年前から目を悪くし、今は取り掛かっても進み具合が
遅くなってきました。と申しますのもこのタイプの刺繍は、1センチ四方に縦糸横糸が12本くらい入る繊細な麻の布地に、刺繍糸を布目に添って刺していくので老眼も進んだ今は、なかなか辛くなってきてしまいました。
左の2作品は、40年ほど前に初めて刺したものです。
全くの自己流ですので、作品展などに出したこともなく写真を撮るのも初めてです。
目の健康にはあまり良くないのですが、素朴な風合いのこの糸が好きで、少し
ずつですけれど今も、小さな作品などをてがけています。
🌸 デンマーク刺繍について
この刺繍を知ったのは、もう40年ほど前のこと、東京渋谷の東急本店での展示会で初めて目にし、糸の抑えた色合いと繊細な刺繍に、即座に自分も作ってみたいと思ったのでした。
その頃の日本では、刺繍と言えばフランス刺繍が主流で、それ以外で私が知っていたのは、着物に刺す日本刺繍くらいでした。
会場の片済みでは、教室の案内と材料の販売をしていました。
商家に嫁いで10年程を経た当時、私は店の手伝いをしつつ眼鏡光学の通信講座(スクーリングなどもあり)を受けている最中で、とても刺繍教室に通う時間的な余裕はありませんでしたので、材料と教本だけ買わせていただき、帰宅したのでした。
糸と布地は独特のものですが、技法はフランス刺繍とそれほど変わらず(と、当時の私にはそう思えたのですが)何とか完成させて以来自己流で、これまで来てしまいました。本当の技術とは裏側にあるようですから、時間のやり繰りのつくようになった今からでも正式に習えばよいのですが…。
さて、当時じっくり読むこともせずに、ただただ作ることに夢中でしたが、今その教本の中の解説を読むとデンマーク刺繍について、次のように書かれています。
「デンマーク手工芸の中でも刺繍の占める割合は大きく、それは北欧ルネッサンスの中心地コペンハーゲンの経済的活況と文化の高揚がリッチな刺繍を幅広く残しているからでしょう。また、刺繍を楽しんだ担い手が婦人たちであり、経済的にも恵まれ、精神的にも余裕のある人々であったことにもよります。現在も(’81年)なおイングリッド皇太后陛下がデンマーク手工芸ギルトの創立後まもなく後援者となられていることも、刺繍が貴婦人の楽しみであった一つの証かもしれません。」 ゲルダ・ベングトソン 訳者 山梨幹子
以上、抜粋
貴婦人方の楽しみを、遠く離れた東洋の庶民私たちが気軽に楽しめるものになったのも、これを当時日本に紹介してくれたデンマーク手工芸ギルド日本代表の山梨さんという方のお陰なのでした。
ビーズ織
🌸 道具と材料
器具
はた織機を小さくしたようなものを使って、必要な本数の糸をこの器具に
渡しかけ縦糸とし、ビーズを通した糸をを横糸として使います。
糸
ビーズの色に応じて目立ちにくい色の専用糸
素材
ごくごく微細な筒状のビーズ
紹介した写真はごく一部です。
🌸 作品
ブローチ
図案は方眼紙に描いて色鉛筆で好みの色をつけ
それを参考にしてビーズを選び織機で作りました。
ペンダントヘッド
織機を使わずに、針と糸のみで織りました。
ビーズの重なりが織機では平行につながっていきますが、
手織りの場合はレンガ積みのようにビーズが互い違いに
重なっていきます。織機より硬くしっかりした織目になります。
ミニバッグのストラップ
おもちゃの様なミニバッグは、お守りをいれたり、匂い袋を
入れたり、何も入れずに飾りとして使ったりします。
織機を使わずに、針と糸のみで作りました。